劇場用映画
「わたのまち、応答セヨ」(2025)
海辺の小さな街を舞台にした岩間の監督第二作。
「斜陽化する地方都市の繊維産業」に、『映画撮影』という手段で肉薄し、漂流し、落胆し、迷走し、そこに何とか希望を見出そうと試みる悪戦苦闘の物語。
これは「映画」についての映画でもある。本作は、「進め!電波少年」で知られるテレビ界の名物プロデューサー・土屋敏男のもとに、愛知県蒲郡市の行政から「我が町の繊維産業に光を」というドキュメンタリー映画企画が持ち込まれるところから始まった。しかし、「ありがちな産業プロモーション映画」にする気など毛頭ない土屋は、岩間に声をかけ、「誰も見たことがない本気のモノ作りの映画」を目指す。かくして二人の映画制作の旅は意気揚々と始まるが、その撮影は難航を極めた。街に漂うある種の諦めムードと、撮影に対する繊維業界の警戒感、そして産業そのものが抱える構造的問題などが土屋と岩間の前に悪夢のように立ちはだかる。暗礁に乗りかけた映画は、しかしこの後思いもかけない方向に転がり出す。
そしてプロデューサーと監督の予想を遥かに超える、驚くべき奇跡的結末を迎えることになるのだった。
本作は、新宿シネマカリテで公開されると観客の感想が口コミで広がり、上映期間が延長されるという異例の評価を得た。
「ラストで泣ける」という評判から、名古屋・大阪・京都・豊橋・宇都宮・博多・唐津・秋田・岐阜・山形・鳥取・一宮などのアート系ミニシアターで順次公開・上映されるようになった。
著作家・服飾史家の中野香織は本作を「撮る者と撮られる者の本気が共鳴し、各人が役割を果たしきった暁に出会う時空を超えた継承の証」と評し、医師・作家の鎌田實は「静かな熱狂の中で、人が変わり、街が変わり、キセキが起きる。熱い熱いドキュメンタリーを久々に観た。すごい映画だ!」とコメントした。映画監督の大友啓史は「久しぶりに、胸が震え、心が躍り、勇気を握りしめる映画に出会えた。あと3回は見てこの世界観をかみしめたい」と本作を称えた。
語り部を務めるのは「ケイコ 目を澄ませて」で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞した岸井ゆきの。哀切に満ちた独特のトーンで、迷路のような物語世界へと観客を誘う。
(第一回Gontents制作作品)
語り - 岸井ゆきの
出演 - 鈴木敏泰 鈴木昭子 石川雅祥 タニクミコ 小田順子 中瀬司 中野房子 松田繁 戸田佐田夫
音楽 - Brianna Tam
- 地場産業活性化プロジェクト委員会 新商品開発プロジェクト
協賛 - 蒲郡市 ひまわりネットワーク 蒲郡信用金庫 ほか
特別協賛 - 三河湾ネットワーク
協力 - 蒲郡市博物館 W TOKYO 東京ガールズコレクション実行委員会 東海日日新聞社(東日新聞)中部経済新聞社 日本テキスタイルデザイン協会 森菊 竹島クラフトセンター 天竹神社 和田糊付工場 金田整経所 丸奈 蒲郡クラシックホテル 蒲郡北部小学校 London Design Festival FUTURE FABRICS CLOTH HOUSE MERCHANT&MILLS Ltd 島崎麻奈美
資料提供 - 蒲郡市博物館 天竹神社 天竹神社綿保存会 W TOKYO 東京ガールズコレクション実行委員会 中野房子 鈴木敏泰 東京ガールズコレクションオフィシャル映像
タイトルデザイン - 布村順一
海外配給 - Free Stone Productions
取材・撮影 - 大原孝治
ポストプロダクション - アクシー 日活調布撮影所
グレーディング - 上野芳弘
ダビング - 小菅学
編集・DCP - 大野努
- Special Thanks to 三河湾ネットワーク
- 堀井敦 曽我謙晋 會場啓悟 杉山武士 岡澤圭吾 古川来未
- MIKAWA COTTON STRIPES−Resurrecting a 1200-Year History from the “Birthplace of Japanese Cotton Culture”−A partner of London Design Festival September 2024 Exhibition Direction by Kumiko Tani (Re-cycle-Styale)
- 映画「わたのまち、応答セヨ」プロジェクト委員会
委員長 蒲郡市長 鈴木寿明
蒲郡市三河湾ネットワーク株式会社 蒲郡商工会議所 蒲郡市観光協会 蒲郡市シティセールス推進協議会 配給・宣伝 - 鈴木俊輔(鈴正) 遊佐和彦(JAYMEN TOKYO)
企画・プロデューサー - 土屋敏男
監督・撮影・編集 - 岩間玄
映画公式サイト https://watanomachi.com













