「写真家・森山大道1996 路上の犬は何を見た?」(1996)
写真界のレジェンド・森山大道の90年代の制作風景を追ったレアなアートドキュメンタリー。
20代だった岩間が、メディアに殆ど露出することのなかった伝説的写真家である森山(当時50代)のもとに出向き、番組撮影を打診する。
岩間は森山作品を敬愛していたが何のツテもなく、この時が初対面だった。「断るつもりでいた」森山は、岩間の切羽詰まった懇願に「今断ったらこの青年は切腹しそうだ」と思ったという。撮影は1995年秋から翌年まで行われた。取材嫌いだった森山が、珍しくロングインタビューに応え、自作についてフランクに語っている。そしてTVクルーは、森山のメインフィールドである新宿や、故郷・大阪池田の街々でマシンガンの如くスナップして疾走する森山の姿を、ひたすら記録し続ける。結果、このドキュメンタリー(45分)は、「動く森山大道」を映し出した世界初の長編記録映像となった。そしてこれは岩間の事実上の監督デビュー作でもある。放送から20年を期に2016年、恵比寿NADiff a/p/a/r/tで森山と岩間、そしてグラフィックデザイナー・鈴木一誌の3人が本作を見て語るという上映トークイベントが開催された。これをきっかけにして、のちの映画「過去はいつも新しく、未来はつねに懐かしい 写真家 森山大道」(2020)が誕生することになる。
またこの96年のテレビ放送番組(デジタル編集版)はのちの映画のBlu-rayに特典映像として格納されており、現在でも見ることが出来る。
1996年2月24日放送(日本テレビ)「美の世界」より
- 出演
- 森山大道
井田由美 - 撮影
- 岩見憲明
- VE
- 河内恵一
- 照明
- 矢作真佐人
- 録音
- 斉藤 裕
- 編集
- 山宮 革
- VTR
- 小鷹浩司
- 音効
- 喜尾茂生
- 演出補
- 相川芳江
- 協力
- 作品社
Taka Ishii Gallery
専門学校 東京ビジュアルアーツ
HYSTERIC GLAMOUR
新潮社 - プロデューサー
- 加藤睦夫
- 構成・演出
- 岩間 玄
- 製作著作
- 日本テレビ
Blu-ray
https://www.amazon.co.jp/「過去はいつも新しく、未来はつねに懐かしい-写真家-森山大道」Blu-ray-森山大道/dp/B0BSGX2FW1
「ルネサンス時空の旅人」シリーズ(2000〜2014)
当時岩間が所属していた日本テレビは、バチカン・システィーナ礼拝堂の修復に協力しており、その縁でイタリアの各美術館と密接な関係を築いていた。
修復完了後、イタリア美術を日本に広く紹介しようという趣旨で新シリーズ番組が立ち上がることとなり、岩間がその企画・プロデュース・演出・総監督・総合構成を担った。
薬師丸ひろ子、木村佳乃、大竹しのぶ、沢口靖子ら日本映画界を代表する女優たちが、イタリア各地のルネサンス美術を探訪して回る本シリーズは、のちにDVD化され、今もなお根強い人気を誇る。単なる古典絵画の作品紹介にとどまらない本作を作る上で、岩間が最も心を砕いたのは「都市に暮らす画家たちの人生ドラマ」をどう描くかということだった。画家がその時、その街で、何をどう考え、どう悩み、どう作品に挑んだのか。芸術制作の心情を深く掘り下げる手法は、その後の岩間自身の映像表現にも大きな転換をもたらすことになった。
「ルネサンス時空の旅人」シリーズ
企画・プロデュース・演出・総監督・総合構成:岩間 玄
第一回「奇跡の都ベネチア物語~天才ジョルジョーネと絵画王ティツィアーノ」
(2000年11月3日放送 日本テレビ)
平成12年文化庁芸術祭参加作品
- 旅人
- 薬師丸ひろ子
- ナレーター
- 黒沢 良
- 撮影
- 森木宏明
- 企画
- 青木 昭
- 録音
- 鴇田晴海
- 編集
- 鈴木教全
- VTR
- 田中公年
吉田 誠 - 整音
- 喜尾茂生
- 音楽効果
- 鈴木 勉
- コーディネーター
- 中本陽子 茜ヶ久保由美
- スタイリスト
- 小川久美子
- ヘアメイク
- 小泉尚子
- 制作進行
- 堺 輝美
- 撮影助手
- 唐沢 洋
- 広報
- 杉山克美
- 衣装協力
- FOXEY MONNBAT
- 協力
- イタリア文化庁
アカデミア美術館(ベネチア)
ウフィッツィ美術館
ピッティ美術館
ボルゲーゼ美術館
ジョルジョーネ博物館
ティツィアーノ生家
JAL日本航空 - プロデューサー
- 岩間玄 / 青木昭 小林俊夫
- 演出・構成
- 岩間 玄
- チーフプロデューサー
- 柏木 登
- 製作著作
- 日本テレビ
DVD
https://www.amazon.co.jp/ルネサンス時空の旅人『奇跡の都ベネチア物語』-DVD-薬師丸ひろ子/dp/B0000AVTHS
「美しき古都 千年の旅人」シリーズ(2009〜2011)
「千年の都 美の旅人」シリーズ(2012〜2015)
- Screenshot
- Screenshot
JR東海の「そうだ京都、行こう」キャンペーンを定期的に特別番組化しようということになり、岩間がその企画・プロデュース・構成・総監督を勤めることとなった。
第1シリーズは「美しき古都 千年の旅人」、第2シリーズは「千年の都 美の旅人」と題され、各季節に放送された。新シリーズは新たな旅人に女優・栗山千明を迎え、一千年揺るがない「美」とは何か?を追求する作品となった。栗山が京都・奈良の神社仏閣を巡り、第1シリーズ同様最後は必ずミュージシャンの生演奏で締めくくるという独自の構成が話題を呼んだ。
オリジナルサウンドトラック「音の旅人」も発売され、今も多くの美術番組で使われている。
なおこの二つの古都シリーズで、岩間は京都・奈良と深い関係を築くようになり、仏像や仏画、枯山水の庭や建築など日本美術の古典的傑作を現代的に紹介するという新しい分野を開拓することとなった。
ALL PHOTO撮影©️:岩間玄
第一回「美の誕生」篇(2012年2月19日放送 日本テレビ)
- 旅人
- 栗山千明
- 演奏
- 宮本笑里
- 語り
- 杉本哲太
- 構成
- 田代 裕
- 音楽プロデューサー 森 啓
- 撮影
- 岸田一彦
- 調整
- 山川具彦
- 特機
- 中藤克和
- 照明
- 上北 直
- 音声
- 國方 浩
- 編集
- 馬場 勝
- EED
- 小鷹浩司 西垣安武
- MA
- 浜口 崇
- 音効
- 江藤 純
- ヘアメイク
- atsu.co
- スタイリスト
- ume
- 編成
- 中村圭吾
- デスク
- 安永美和
- オープニングCG
- 「花と屍」:チームラボ
- オープニングテーマ
- 「Voyager of grace」宮本笑里
- 協力
- ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
- 衣装協力
- nano universe M’S GRACY VOUS ETES TADASHI SHOJI
- 撮影協力
- 石塀会 神泉庵 平安神宮 茶会席・下鴨茶寮 老松 京料理・二傳 仁和寺 京都府立植物園 KBS京都 片山家能楽・京舞保存財団 市田美容室
- プロデューサー
- 兜森英美 杉本理恵
- AD
- 武本 悠
- ディレクター
- 岡本洋子
- 演出・プロデューサー 前田憲昭
- 企画・総監督・チーフクリエイター・プロデューサー 岩間玄
- 製作協力
- AX-ON
- 製作著作
- 日本テレビ
CD
https://www.amazon.co.jp/音の旅人%E2%88%92心の都へスペシャル%E2%88%92千年の都-美の旅人-オリジナル・サウンドトラック-宮本笑里/dp/B009CRKOIU
「天野喜孝、京都に挑む」(2022)
「画家・天野喜孝 天空の龍に挑む」(2023)
「ファイナルファンタジー」等で知られる世界的画家・天野喜孝が、高さ4メートルの巨大な新作を展示することに。
その場所に選ばれたのは、狩野探幽の雲龍図が天空を舞う京都・妙心寺法堂だった。“アートと京都の仏閣”という組み合わせに、岩間が心躍らせて監督した作品。
このダイジェスト版は今でもYouTubeで観ることが出来る。本撮影をきっかけに画家・天野喜孝との交流が始まることになった。放送が終わっても、岩間は天野の制作アトリエに通い、今もなお天野の制作過程を記録し続けている。その映像素材は、今後、天野義孝の劇場用ドキュメンメンタリー映画としてまとめられ、全世界に公開される予定である。
2022年11月29日 短編放送
2023年9月28日 特番放送(共にBS日テレ)
- 企画・プロデューサー
- 鳥居良太
- オープニングアニメ制作 天野喜孝
- 協力
- 天野喜孝生誕70周年アートプロジェクト
エムズマネジメントオフィス
ツインプラネット
大日本印刷
NPG東京エージェンシー
BS日本
日テレWands - EED
- 西垣安武
- 音効
- 江藤 純
- 制作進行
- 中村かおり
- プロデューサー
- 杉本理恵
- 衣装協力
- SUS
- 撮影協力
- 臨済宗妙心寺派大本山妙心寺
- 素材協力
- タツノコプロ. スクウェア・エニックス
- 特別協力
- 津田章彦(妙心寺) 鈴木真理(エムズマネジメントオフィス)
- 制作協力
- ON THE SCENE
- 監督・撮影・構成・編集 岩間 玄
- 製作著作
- BS日テレ